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米国で不当に投獄されている5人のキューバ人について

ヘラルド・エルナンデス、ラモン・ラバニノ、フェルナンド・ゴンサレス、アントニオ・ゲレロ、レネ・ゴンサレスの5人のキューバ人はマイアミに住み、当地の極右テロリストグループがキューバ国民に対して画策する暴力行為を未然に防ぐために活動していました。

これらの極右グループは1959年以来、暗殺や爆撃、その他のテロ行為を繰り返し、キューバ国内で罪のない市民を何百人も犠牲にしてきました。それらのグループは、「アルファ66」「オメガ7」「救援の兄弟」「全米キューバ系アメリカ財団」などであり、長年にわたりキューバ国民を恐怖に落とし入れようとしてきましたたが、彼らは全く罰せられることはありませんでした。

1998年9月12日、FBIがマイアミ在住のキューバ人「スパイ」5人を逮捕したと発表しました。17ヶ月の間、5人はそれぞれ独房で他の囚人達からも完全に隔離され、自分達の弁護士とも、当番弁護人とも適切な連絡を取り合うことができず、弁護を準備するための最低の保障も与えられませんでした。

裁判は2000年秋に始まり、7ヵ月後に終わりました。これら5人のキューバ人はアメリカの軍事情報や政府情報を探っていたのではなく、ただ単にマイアミの極右グループの中で、人命を奪う(以前実際にそうなった)テロ行為がキューバに対して行われるのを未然に防ぐために活動していたに過ぎなかったのですが、アメリカ当局はそれを絶対に認めようとしませんでした。

5人に対する判決は2001年12月に出ました。最大の被告人であったヘラルド・エルナンデスは二回の終身禁固刑、アントニオ・ゲレロとラモン・ラバニノも終身刑、フェルナンド・ゴンサレスとレネ・ゴンサレスはそれぞれ19年と15年の禁固刑であった。すべてのケースでそれぞれ最大の刑量でした。

5人は26の罪で訴えられました。その中の24は比較的に軽い、むしろ技術的なものでしたが、2つは重大で、それぞれ終身刑に相当するものでした。

その2つの重大な罪のうち最もよく知られているのは「スパイ罪」です。しかし、アメリカ政府は「スパイ罪」として5人を告発せず、法律にある「共謀罪」を利用した。それは通常、罪を犯した証拠がないときに使われます。

「共謀罪」を適用すれば、政府は罪が犯されたことを証明しなくて済み、単にそのための合意があったことを証明するだけでよいのです。そうすると「合意」は罪になります。今回の場合、記録を見ると、検察側は彼らが「スパイ行為」を行っていたという具体的な証拠を何も提出できませんでした。そのため「スパイ罪」として成立させることはできなかったのです。しかし残念ながら、アメリカのメディアに伝えられた情報は違う内容となり、彼らはスパイだと伝えられ、それによってアメリカ国内の世論や世界各国の世論が操作されました。

裁判記録によると、政府側の検察官が陪審員にこう述べています。「我々はこの5人を逮捕し、彼らのパソコンから2万ページもの文書を押収した。しかし、その2万ぺージの中に機密情報と言えるものは1ページもなかった」。

裁判で政府は合衆国情報部の要人の一人を召喚した。彼は防衛情報部長の将軍でしたが、弁護側の質問に答えて、その2万ページの中に国家防衛に関する情報が含まれていた記憶はないと明言しています。

にもかかわらず、陪審は偏見と独断、政治的圧力、そしてフロリダという土地が持つヒステリックな環境によって、5人に有罪判決を下しました。2000年12月2日付の「ヌエボ・ヘラルド」紙は「スパイ事件の裁判で陪審員になる恐怖」という見出しの記事で「キューバ政府のためにスパイを働いた容疑で告発された5人の男を陪審員が無罪にしようものなら、亡命キューバ人社会から暴力的応酬があるかもしれないという恐怖から、多くの有望な陪審員候補が市民的義務の免除を判事に願い出た」と述べ、陪審員候補の一人の声を載せています。彼は「そうだよ。身の安全に恐怖を感じる。評決が亡命キューバ人社会にとって気に食わないものになったら危ないからね」と、キューバ系極右テロリストの怒りと暴力の犠牲になる可能性を示唆しています。

70人以上もの証人から証言を聞いたのち、審議が終了しましたが、その後の陪審はスパイ容疑に対し終身刑を含む有罪判決を決定するのにたったの一日を費やしただけでした。一つの質問もせず、一つの証言も再読せず、一つの証拠も検討しませんでした。7ヶ月も続いた裁判の結論をたった一日で決めてしまったのです。

ヘラルド・エルナンデスは殺人を謀議した容疑で起訴されました。しかし、検察側も(1996年2月24日の事件について)国際水域で2機の航空機を撃墜する謀議があったという十分な証拠がないことを認めています。

主権国の空軍機が自国領土防衛のために他の航空機を撃墜した事件に殺人罪を適応するのは、米国の歴史上初めてのことです。例え殺人罪が適応できるケースでも、これほど証拠に欠けるケースを殺人罪としたこともありませんでした。あの事件は、主権国家が自国領土防衛のために行った正当な行為でした。

米国はこれらの告発を可能にするために、法律上考えられる限りのあらゆる戦術を使いました。その一つは、押収した2万ページの文書すべてを高度の機密文書として等級化することであった。そして、弁護のために被告がそれらの文書を要求しても、機密情報だとして提供しませんでした。

5人への虐待は常に続けられ、不当にも、「穴」として知られる狭い懲罰房に長い間閉じ込められるという罰まで受けました。

2004年3月10日、弁護側はアトランタ第11巡回裁判区控訴裁判所に控訴した。弁護側も検察側もわずか15分の持ち時間で口頭による意見陳述を行い、判決を待ちました。

控訴の主な理由は、殺人とスパイを行うための謀議があったとする容疑に対する証拠が不十分であること、裁判の場所としてマイアミは不適当だったことでした。マイアミでは陪審員にたいしてキューバ系社会の右翼勢力から強い圧力があり、評決が彼らの気に入らなかったなら報復を受けるかも知れないという恐怖が正しい判断をとらせませんでした。判決は米国法に照らしても、過剰で不当なものとなったのです。

2005年8月、アトランタ第11巡回裁判区控訴裁判所は3人の判事による審議の結果、全会一致で5人に対する判決の無効とマイアミ以外での裁判のやり直しを命じました。

しかし、アメリカの法務当局は収監されている5人の英雄を釈放しませんでした。これは全ての基準と法的手続きに反するものであり、彼ら5人にたいする不当な扱いのリストが一つ増えたのです。

他方、国連人権委員会(当時)不当拘禁ワーキンググループは、2005年5月27日に採択された結論を米国政府に送りましたが、その内容は、「アントニオ・ゲレロ、フェルナンド・ゴンサレス、ヘラルド・エルナンデス、ラモン・ラバニノ、レネ・ゴンサレス各氏の自由の剥奪は不当であり、『政治的・市民的権利に関する国際協定』第14条に反する」として「(米国)政府に『政治的・市民的権利に関する国際協定』に定められた諸原則に基づき、この状況を解決する措置をとるよう求める」ものでした。

2005年10月31日、アトランタ第11巡回裁判区控訴裁判所は、この件に関する米国検察庁の控訴の申し立てを受諾しました。これにより以前の判決無効は取り消しとなり、この新たな控訴が検討されることとなりました。

結局、このプロセスは異例・違反ずくめでした。そこには被告達の最も基本的な権利に対する恒常的な蹂躙も含まれ、彼らが家族と正常な接触を持つことも妨げられました。米国の出入国管理当局は、家族へのビザの発給を「米国の安全保障上の脅威となる」との口実で繰り返し拒否しています。

アメリカの憲法と刑務所規定は家族との面会をはっきりと認めています。アムネスティ・インターナショナルも米国政府に抗議文を送り、その中で国際法は全ての囚人に家族との面会を許可すべきだと定めていると述べています。これは明らかに国際法の人道的必要条件の一つです。憲法上からも国際法上からも、家族との面会は権利です。連邦刑務局の規定上からも同様です。

米国はこの問題を沈黙のベールで覆い続けようと必死になっています。この問題の推移に関心を持ち、不当性を告発しようとする人達がいることを我々が見せることができて初めて、公平な裁判が行われるでしょう。そのためには、アメリカ政府がこの件に課せようとしてきた虚報と沈黙の壁を破るために、世界の全ての公正で良心的な人達が5人の大儀と連帯することが重要なのです。

全世界にこの活動を支援する「連帯委員会」がつくられ、効果的な成果が生まれています。2003年10月、「5人の釈放を勝ち取るための全米委員会」はニューヨークタイムズ紙に全面広告を発表するためのカンパ活動を始めました。多くの国々から届いたカンパのおかげで、全面広告が発表され、米国内でも世界でもこの問題への支持が大きく広がりました。

今日、この不正を正すために貢献できる重要な行動があります。それは全世界に連帯委員会を設立すること、メディアでの情報の報道、虚報に対抗するための宣伝活動、米政権への圧力であり、それらが正義を目指すこの闘いで使うことのできる主要な武器です。

来る9月12日〜10月6日、5人の釈放をめざす世界的特別期間が設けられます。それは全世界で正義のために闘う人々が統一し、連携して行動する期間となります。

この不正義を終らせるために、我々全てが貢献することができます。そのためには、真実を知ることが必要なのです。

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